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情報を得る代表的な手段であるYouTubeと本を比較してみた

 東洋経済オンラインに「月7冊の読書ができる人が圧倒的に突き抜ける訳」という記事があり、その中に「日本人の半数は本を読まず、平均だと月1冊程度」という調査結果も記されていました。

しかし日本人のほぼ100%がネット社会に触れることが可能な現代において「YouTube」を観ないという人は圧倒的少数派に属するでしょう。

情報を得る手段として圧倒的に代表的な手段であった「本」は現在はYouTube等に取って変わられているように感じます。

ここでは10年以上身近にYouTubeに触れてきた筆者が「本とYouTubeの比較」をします。

YouTubeは悪

 この記事を書くことになったきっかけは「YouTubeが自分にとって悪影響」であると考え始めたからです。しかし決して「YouTubeから得られるものは無い」「YouTubeは悪影響’しか’ない」と言っているわけではありません。

このように考えるようになった要因として以下のことがあげられます。

  • 中毒性
  • 一方的に情報が入って出ていく感覚
  • アウトプットする暇なく次のコンテンツへ意識が移る
  • 時間が圧倒的に早く過ぎ去る感覚

まずYouTubeにはとんでもないくらい中毒性があります。エンターテインメントとしては素晴らしいと言えるくらいのものでしょう。

しかしその’素晴らしさ’ゆえ他のことをしているよりも圧倒的に時間が早く過ぎ去っていく感覚を覚えずにはいられません。

「この時間で英単語をどれだけ覚えられただろうか」「2時間くらいある映画を一本じっくり観た方が有意義じゃなかったかな」「まだ読み始めてない本あるのに」「あの曲のギター練習しないと」って考えたことがどれ程あったか。

あとYouTubeって一本の動画が終わっても、どうしても興味を惹かれてしまうような動画がすでに羅列して表示されてますよね。

もう興味を惹かれてしまった1秒後には1タップで次の動画が再生されています。

これがもう最悪のループの始まりです。

こうなるとスマホに操られて、ただ何となく興味を惹かれた動画を再生して’思考停止’な自分に一方的に情報が入ってきてスーッと抜けていく感覚を覚えることがあります。

そして最悪なのが一本の動画が終わったあと、すぐに次の動画に移ってしまうためアウトプットする暇もありません。

アウトプットしないと情報の整理がうまくできないため、その動画で得られた情報はずっとぼんやりとしたまま脳内に残ります。

こうやって’思考停止’な人間が出来上がるのだと考えます。

次にYouTubeよりも長い期間人間にとって代表的な情報源であった’本’をこれと比較していきます。

YouTubeよりも本が有意義だと感じることが多い

 YouTubeと本を比較して、本の方が有意義だと感じられる要因は以下のようなものが挙げられます。

  • 一方的に次から次へと情報を流すYouTubeとは違い、自分のペースで読み進められるため自分にとって重要だと感じられる情報だけピックアップすることが出来る
  • 映像と音で情報を伝えるYouTubeと違い、文字のみでそれを行う本の方が余計な情報を含まないため、情報を整理しやすい
  • 受動的にでもある程度ぼんやりとした情報を得ることが出来るYouTubeとは違い、本を読むには能動的に情報を得ようとする脳の活動が求められるため、重要な点が脳内に鮮明に留まりやすい

超簡潔にこれまでのことをまとめると、YouTubeを何となく見ているよりも、本を読む方が能動的な脳の活動を求められるため、思考停止したような脳が作られるのを防ぐことが出来るということです。

YouTubeを見終わった後にスッキリしない感覚を覚えた経験をしたことがある人は少なくはないでしょう。しかし、同時に多少は本を読む習慣のある人は、その時と本を読み終えた後の冴え切ったような感覚の違いは容易に理解することが出来るかと。

思考停止した脳のままでは、日常生活の中で得られる情報や感じられる幸せに鈍感になります。

これに気づいたとき今は今しか無いんだから「冴え切ったような脳で自分にとって必要だと感じられる情報を逃さない」、「常に五感を研ぎ澄まして楽しさも悲しさも言葉では表すことの出来ないような感情や心理を鮮明に感じていたい」と思えます。

絶対に誰にでもYouTubeよりも有意義な時間の使い方はあります。

最後にYouTubeを完全に否定する気は全くありません。

ただ本よりも圧倒的に使い方に注意しないといけないというだけでしょう。

実際YouTubeから得てきたものには、超どーでもいい情報からとんでもなく有益な情報までピンキリです。

「YouTubeと本」は「自動車と徒歩」みたいな関係だと思います。もっと良い例があったかもしれませんがこれが最初に脳に浮かんだのでこれで例えます。

高速道路で車を運転すると直線が多すぎて眠くなってきたりしますよね。思考停止でもできることであり、遠くまで短時間で行くことが可能でたくさんの景色を見ることが出来ますが、通過点にある美しい景色に気づけず、あとで覚えてなかったりします。

対して徒歩だとどうでしょう。

車でないと行けないような所までたどり着けなくても、じっくりと徐々に変化していく景色の変化に繊細に気づくことが出来ます。見たい景色をじっくりと自分のペースで好きなだけ見ることが出来ます。

ここまで読み終えた皆さんは「YouTube」と「本」、どっちを選びますか。

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